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【堺市 注文住宅 高性能住宅 お役立ちコラム】 断熱材とは? Vol.11

2022.02.21 | コラム

【堺市 注文住宅 高性能住宅 お役立ちコラム】 断熱材とは? Vol.11
そもそも断熱材とは?
「冬は暖かく、夏は涼しい家」というのを注文住宅の広告などで見かけたことはありませんか。季節に関係なく快適な室内環境にするには「家の断熱」がとても大きく関係してきます。「そもそも断熱とは」と思われるかもしれませんが、注文住宅、高性能住宅問わず、住宅の外壁の中には「断熱材」というものが入っています。断熱材が入っていることで、「外からの熱が室内へと伝わりにくく、室内の熱は外へと逃げにくく」なっています。
この「熱が伝わりにくく、逃げにくい」というのが住宅でいう「断熱」のことです。
 
1.堺市で注文住宅、高性能住宅を建てるために知っておくべき断熱材の種類・鉱物系

断熱材はまず原料の違いで「鉱物系」「石油系」「自然系」の3種類に分けることができます。それぞれ主に下記のような断熱材があります。

・鉱物系
「グラスウール」

ガラスを熔解して繊維状にし、接着材を吹き付けて成形した断熱材。グラスウール板は国に不燃材料として認められていて、日本だけでなく北欧や北米でもよく使われている。かつては結露やズレ下がりなどが指摘されたこともあったが、施工技術の進化や性能の向上などにより現在はそうしたマイナス面が解消されている。形状はボードやマット状、バラした綿のようにした状態などがある。
 
「ロックウール」
玄武岩や鉄鋼スラグ(製鉄時の副産物)などを溶かして繊維状にした断熱材。グラスウール同様不燃材料と認められている。日本でのシェアはまだ少ないが、北欧ではグラスウールと同じくらいシェアがある。マンションの外張り断熱工法(下記参照)でも使用されることが増えている。形状はボードやマット状、バラした綿のようにした状態などがある。
 
・石油系
「ビーズ法ポリスチレンフォーム(EPSとも呼ばれる)」

ポリスチレン樹脂に発泡剤や難燃剤を添加してビーズ状にしたものを発泡成形した断熱材。耐水性があるほか、軽くて衝撃にも強い。一般には「発泡スチロール」として知られている。形状はボード状。

「押し出し法ポリスチレンフォーム」
材料は上記ビーズ法とほぼ一緒だが成形方法が異なる。硬質で耐圧力があり、吸水・吸湿性が小さい。外張り断熱工法や家の基礎部分の断熱(下記参照)によく使われる。形状はボード状。

「硬質ウレタンフォーム」
ポリウレタン樹脂に発泡剤を加えて成形。外張り断熱工法(下記参照)で使用されることが多い。外張り断熱では定番の断熱材。ボード状を使用するほか、現場で吹き付ける(壁などに直接固着させる)方法がある。マンションで充填断熱(下記参照)する場合、吹き付ける施行方法でよく使用される。

「高発泡ポリエチレンフォーム」
ポリエチレン樹脂に発泡剤を加えて成形。形状はボード状。他の石油系断熱材より柔軟性があるので狭い部分に充填しやすい。

「フェノールフォーム」
フェノール樹脂に発泡剤や硬化剤を加えて成形。長期的に安定して断熱性能を保つという特徴がある。石油系の中では防火性に優れ、炎を当てても煙や有害ガスをほとんど発生しない。形状はボード状のほか、金属板や石膏ボードなどとの複合パネルもある。

「ポリエステル」
ペットボトルを再生したポリエステル繊維でつくられる。形状はボード状。熱を加えると形状が固定されるので、接着材が不要。そのためホルムアルデヒドを発生しない。また万が一燃えても炭酸ガスと水に分解され、有害ガスを発生させない。

・自然系
「セルロースファイバー」

新聞の古紙などを粉砕して綿状にした断熱材。綿状で、施工方法は吹き込み(雪をつもらせるように敷きつめる)と、吹きつけ(壁などに直接固着させる)がある。グラスウールよりも吸音性能が高い。自然系の中では一番歴史があり、それゆえ最も普及している。

「ウール」
原料は羊毛。形状はマット状かバラした綿のようにした状態がある。自然系の中では安価で、最近よく使われるようになってきた。
 


2.堺市で注文住宅、高性能住宅を建てる際に参考にできる各素材の優劣

「断熱性能ではDやEの多い石油系が高く、防火性と価格面では鉱物系が優れています。自然系は断熱材の製造過程で排出するCO2が少ないため、環境性に優れていますし、自然由来の素材であるため健康にもよいと言われ、最近人気の断熱材です。
そのほか一般的に鉱物系のグラスウールやロックウールは透湿性があるので、施工時には防湿層をつくる必要(最近は防湿層が最初から備わったグラスウールもある)があります。
このように断熱材にはそれぞれ一長一短があり、断熱性能や価格だけで選ぶことが難しいのです。


3.堺市で注文住宅、高性能住宅を建てる際に断熱性能が左右される施工方法の良し悪し

どんなに断熱性能の高い断熱材を選んでも、それを隙間なく敷きつめて家を覆わなければその性能は発揮できません。つまり重要なのは、断熱材の種類よりもしっかりと断熱することなのです。
ではしっかりと断熱するとはどういうことでしょうか。それを説明する前に、断熱の施工方法について説明しておきます。
木造住宅の断熱の施工方法は大きくわけて3つあります。

充填断熱
柱と柱の間など、躯体内の空間に断熱材を充填する工法

充填断熱のメリットは、外張り断熱工法と比べてローコストで施工できることが多く、ほとんどの種類の断熱材を使用できます。デメリットとしては柱と梁のつなぎ目などを避けながら気密・防湿シートを張る必要があるため施工方法が比較的煩雑などが挙げられます。

外張り断熱
柱の外側に断熱材を張り付ける工法
外張り断熱工法は柱を外側から覆うため充填断熱と比べて柱部分からの熱の出入りがないので、断熱性に有利です。また充填断熱とくらべて施工しやすい工法です。デメリットとしては断熱材が厚すぎると、あるいは地震で揺れたりすると垂れ下がる危険があるためその対策工事が必要なことや、壁厚が増えるため狭小地では充填断熱よりも室内が狭くなることなどが挙げられます。なお、外張り断熱工法や基礎部分の断熱などではグラスウールなど防蟻性の高い断熱材が有利です。

付加断熱
充填断熱と外張り断熱の両方を施工する工法
付加断熱は、断熱材を付加するわけですからその分のコストが増えます。しかし充填断熱や外張り断熱だけよりも断熱材を厚くできるため、断熱性能を高めやすい工法です。
例えば外張り断熱では断熱性の高い硬質ウレタンフォームが定番など、断熱工法の種類によって向いている断熱材もあります。断熱工法もそれぞれ一長一短ありますが、最近はそれぞれデメリットだった部分を補う手法が開発されています。また施工会社によって得意不得意な断熱工法もあるでしょうし、断熱材同様にどの断熱工法が優れているかは一概には言えないのです。
先述したように、重要なのは「しっかりと断熱すること」。そう考えると家の断熱性能の良し悪しを決めるのは断熱材や断熱工法よりも、施工会社選びのほうが重要なのです。

施工会社を選ぶ目安の1つは「C値」
では施工会社を選ぶ際はどんなことに注意すればいいのでしょうか。
先ほど述べたように、施工会社には得意不得意やこだわりの断熱材、断熱工法といった志向性もあります。そのため例えば『自然系の断熱材を使いたい』とか『狭小地だからできれば充填断熱』などの要望があるならば、それらの施工実績のある施工会社に依頼したほうが良いでしょう。
さらに施工精度が高いかどうかを見極めるにはC値(住宅における相当隙間面積)をホームページなどで調べたり、聞いたりするといいそうです。
C値とは家の気密性を示す指標で、数値が低いほど気密性が高いことを表します。気密性の高い家をつくれるということは、断熱材もキチンと隙間なく施工できる技術があると言えます。C値が1以下、できれば0.7くらいだと安心です。
 
 
4.堺市で注文住宅、高性能住宅を建てるために高断熱にしたら家はどうなる?

断熱性能が足りない住宅は冷暖房の使用効率が悪く、光熱費がかかります。
例えば夏のように部屋が暑くて冷房をかけたとします。
断熱性能がない住宅は、冷房の冷たい熱が外へと逃げやすく、反対に外の暑い熱は部屋の中に伝わってきますので、冷房をかけても中々部屋を冷ましてくれません。
部屋を涼しくさせるために冷房の温度を低くして、風量を上げていくとなるとエネルギーの使用量が多く光熱費がかかってしまいます。
では、断熱性能がある住宅の場合はどうなるかというと、冷房の冷たい熱は外へと逃げていかず、外からの暑い熱は部屋の中に伝わってきませんので、部屋が涼しくなりやすい環境になっています。
熱が逃げにくいので、温度設定を低くする必要はなく、風量を上げなくてもいいので、エアコンのエネルギー使用量は少なくてすみます。
このように断熱性能がある住宅は冷暖房の効率が良く、エネルギー使用量を減らすことができるので光熱費も下げることができます。

ヒートショックのリスクを下げることができる
ヒートショックとは、急激な温度差によって血圧の変動が起き、心筋梗塞や脳卒中などを起こしてしまう現象のことです。
特に高齢者ですと体への負担が大きくヒートショックのリスクが高いため、温度差が起こらない対策が重要になってきます。
断熱性能が高い住宅は急激な温度差が生じにくく、冬の寒い季節の場合ですと、暖房をかければ暖かい室温を保てますのでヒートショックのリスクを軽減させてくれます。

5. 堺市で注文住宅、高性能住宅を建てるための断熱材のまとめ

断熱とは「家が着る服」とイメージしていただけると理解がしやすくなります。
家の服が薄着で素材も悪いと家の中に熱がどんどんと入ってきて住みにくい環境になってしまいます。少しでも環境を良くしようとエアコンをかけても熱は逃げてしまい中々部屋の環境は良くなりません。そうなるとエアコンの使用率は高くなってしまいますので、その分光熱費も多くかかります。
断熱性能を上げるということは、快適な住まいになるだけでなく、冷暖房の効率が良くなるので光熱費を下げるなど経済的にも優しくなります。当然のことですが、これから家を建てようと考えている方は、快適な環境で過ごしていきたいですよね。
そのためにも、家の服である断熱性を意識してみてはいかがでしょうか。
 
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